2017年のリリース直後から世界中のゲームファンから愛されている「フォートナイト(Fortnite)」。
しかし、リリースから数年が経過した現在、「人口が減っているのでは?」といった声も聞かれるようになっています。
今回は、フォートナイトの人口が本当に減少しているのか、なぜ「つまらない」と言われてしまうのか、その理由について解説します。
現在のフォートナイトの人口は?
「フォートナイトはオワコン」という言葉を耳にしますが、実際のプレイヤー人口はどのように推移しているのでしょうか。世界、アジア、そして日本のデータと、直近の動向から現状を分析してみましょう。
人口推移データ
年 | 全世界 (約) | アジア全体 (約) | 日本 (約) | ポイント(主な動向) |
2017年 | 3,000万人 | – | – | ・バトルロイヤルモードがリリースされ、人気に火が付く |
2018年 | 7,800万人 | 1,500万人 | 300万人 | ・世界的にプレイヤー数が爆発的に増加 ・アジア、日本でも本格的に人気が拡大 |
2019年 | 1億2,500万人 | 2,000万人 | 400万人 | ・人気が定着し、全世界でプレイヤー数が1億人を突破 |
2020年 | 3億5,000万人 | 3,000万人 | 500万人 | ・世界的なパンデミックによる巣ごもり需要も後押しし、全世界の人口がピークに到達 |
2021年 | 2億7,000万人 | 4,000万人 | 550万人 | ・全世界ではピークアウトし減少に転じる ・日本では人気が継続し、プレイヤー数がピークを迎える |
2022年 | 2億5,000万人 | 4,500万人 | 530万人 | ・全世界、日本ともに減少傾向が続く ・アジア全体では成長を維持 |
2023年 | 2億4,200万人 | 5,500万人 | 520万人 | ・全世界の人口減少に底打ちの兆しが見え始める ・アジア市場は引き続き成長 |
2024年 | 2億6,900万人 | 6,000万人 | 510万人 | ・全世界で回復基調に転じる ・アジアは成長を続け過去最高を記録 ・日本では緩やかな減少が続く |
2025年最新の動向は?
全世界的には回復傾向にあると見られていたフォートナイトですが、フォートナイトの公式データサイトである「Fortnite.GG」が発表した最新データによると、2025年6月、1日あたりの平均アクティブプレイヤー数が約100万人を下回り、過去2年間で最も低い水準を記録したことが明らかになりました。
この記録は、人気シリーズの「スター・ウォーズ」との大規模コラボレーションイベントの最中に観測されたものでした。
この背景には、
- 長年の運営によるプレイヤーの「飽き」
- 「既視感がある」
- 「過去のイベントと大差ない」
などを感じさせてしまうような、新要素の不足が徐々に影響している可能性があると感じます。
なぜフォートナイトは「つまらない」と言われるのか?
プレイヤー人口のデータは、フォートナイトが依然として人気ゲームであることを示していますが、同時に一部のプレイヤーが離れている事実もあるようです。
なぜ「つまらない」と感じてしまうのでしょうか。その理由について見ていきましょう。
「建築」と「スペック」の壁
フォートナイトの代名詞でもある「建築」システム。これが、新規プレイヤーにとって高い壁になっているという指摘は以前からありました。
戦闘中に敵の弾を防ぎ、有利なポジションを確保するために、瞬時に壁や階段、屋根を組み上げるプレイスタイルは、上級者にとっては当たり前ですが、初心者は難しいと感じてしまうこともあります。
さらに、この問題を深刻化させているのが「スペックの壁」です。友達に誘われてSwitchなどの家庭用ゲーム機で気軽に始めても、高性能なゲーミングPCでプレイするユーザーとは、フレームレートや描画距離といった点で大きな差が生まれます。
結果として、「敵を見つける前に撃たれる」「建築バトルでカクついて負ける」といった状況に陥りやすく、楽しさを感じる前に「自分には向いていない」と挫折してしまうパターンもあるようです。
エンジョイ勢が楽しみにくい環境
「勝敗は気にせず、友達とわいわい楽しみたい」というカジュアルなプレイヤー、いわゆる「エンジョイ勢」にとって、現在のフォートナイトは少し厳しい環境であることも指摘されているようです。
eスポーツとしての側面が強くなるにつれて、ゲーム全体が競技志向になり、プレイヤーの平均スキルレベルが向上し、ただゲームの世界観を楽しみたいだけのプレイヤーが、プロゲーマー並みの動きをする“ガチ勢”とマッチングしてしまう機会が増えています。
息抜きでプレイしているのに、ストイックな戦いを強いられ、ストレスを感じてしてしまうギャップの拡大が、ライトユーザーをゲームから遠ざける一因となっているようです。
マンネリ化してしまっているアップデート
フォートナイトの魅力は、シーズンごとにマップや武器が刷新される大規模なアップデートにありました。しかし、最近ではその調整に対して「雑だ」という厳しい意見が目立ちます。
- 新武器や新アイテムが、実際には使い物にならず、すぐに誰も使わなくなる
- マップに新しいエリアが追加されても、プレイヤーはいつも同じ場所に降下する
など、プレイヤーは「また同じことの繰り返しだ」と感じ、アップデートへの期待感を失ってしまいます。このマンネリ感が、「つまらない」という評価に繋がっているようです。
強力なライバル「APEX Legends」
特に日本市場において、フォートナイトのプレイヤー人口が伸び悩む大きな理由の一つが、強力なライバル「APEX Legends」の存在です。同じバトルロイヤルゲームでありながら、APEXはフォートナイトとは違う魅力でファンを多く獲得しています。
- 3人1組のチームプレイを前提としたスピーディーな戦闘
- キャラクターごとに異なる固有のアビリティ(能力)を駆使した戦略性の高さ
- 世界観とストーリーの面白さ
など、これらの要素が日本のプレイヤー好みで、「フォートナイトよりAPEXの方が面白い」と感じる層、特に小中学生などの若年層を確実に取り込んでいます。
建築という複雑な要素がなく、純粋な撃ち合いのスキルが重視される点も、新規プレイヤーにとっては始めやすい要因となっているのかもしれませんね。
今後フォートナイトは期待できる?
数々の課題を抱える一方で、今後のフォートナイトは期待できるのでしょうか?バトルロイヤルゲームという枠組みを超えたフォートナイトの今後について見てみましょう。
熱狂を増すeスポーツシーン
アクティブユーザー数の一時的な減少とは対照的に、フォートナイトのeスポーツシーンは依然として高い注目度を維持しています。
2025年5月に開催されたプロアマ大会では、最大同時視聴者数が約60万人を記録。これは、単にゲームをプレイするだけでなく、「見て楽しむ」コンテンツとしての価値が高いとも言えます。
さらに、2025年夏にはサウジアラビアで開催される巨額の賞金を懸けたeスポーツの祭典「Esports World Cup 2025」への参加も決定しており、競技シーンではむしろ盛り上がりを増しています。
ユーザーを惹きつける大型コラボ
フォートナイトの運営元であるEpic Gamesは、スター・ウォーズといった超人気映画シリーズから、有名アーティストによるゲーム内でのバーチャルライブまで、大規模なコラボを行ってきました。
直近で最も注目されているのが、世界的な大ヒットを記録した韓国ドラマ『イカゲーム』とのクロスオーバーで、独特の世界観とデスゲームの緊張感をフォートナイトに落とし込んだ新モード「リロード『イカグラウンド』」などで、休眠していたプレイヤーの復帰や新規ユーザーの獲得に繋がる可能性があります。
「メタバースプラットフォーム」への進化
フォートナイトで大きく期待されているのは、単なるバトルロイヤルゲームではなく、次世代のインターネット空間とも言える「メタバースプラットフォーム」へと進化を遂げようとしている点です。
ゲームの枠を超えた活用事例
その中核を担うのが、クリエイターが自由にゲームやワールドを制作できるツール「Unreal Editor for Fortnite (UEFN)」です。これにより、個人や企業がフォートナイトのアセットを利用して、高品質なコンテンツを簡単で高速に開発できるようになりました。
すでに、熊本県がPRのために「くまモン島」を公開したり、札幌市が農業の魅力を発信するゲーム「FARM TYCOON by SAPPORO」をリリースしたりと、ゲームの枠を超えた活用事例もあります。
「遊ぶ場所」から「活動する場所」へ
Epic GamesのCEO、ティム・スウィーニー氏は、将来的に数百人、数千人のプレイヤーが一つのシームレスなオープンワールドに同時接続し、経済活動さえも行えるような壮大なビジョンを語っています。
この長期的な視点に立てば、現在のプレイヤー数の一時的な増減は、大きな進化の過程となっているのかもしれません。
コミュニティと共につくる未来
フォートナイトのもう一つの大きな強味は、運営とプレイヤーが一体となってゲームを盛り上げる活発さにあります。特にクリエイティブモード(UEFN)の登場により、プレイヤーは単なる消費者ではなく、面白いコンテンツを生み出す「製作者」にもなっています。現在は、
- バトルロイヤル
- ユーザーが制作したアスレチックや脱出ゲーム
- 音楽ゲーム
など、多種多様なクリエイティブマップが人気を博していて、YouTubeやSNSでは、プレイヤー同士がおすすめのマップを紹介し合うなど、新しい遊び方が共有されています。
出典元:パルクール鬼ごっこのルール説明、遊び方徹底解説!!【フォートナイト】
このように、運営が提供する本編だけでなく、プレイヤーから生まれるコンテンツが、ゲーム全体の魅力をさらに伸ばしています。
まとめ
今回はフォートナイト人口が減っているという噂やつまらないと言われる理由、今後の期待についてご紹介しました。
世界的にみると回復傾向にあるようでしたが、日本では減少傾向が続いているようでした。しかし、フォートナイトにはメタバースプラットフォームなどの今後の期待も多くあるようで、今後、どういった展開を見せてくれるのか注目していく必要がありそうです。